2009年6月7日(日)

島根富士

東京都足立区島根 4-25-1 (鷲神社)

富士塚

あっけらかんと開放的な境内をよく晴れた青空が覆っている。夏休みのラジオ体操広場のようだけれど、セミの声はまだ聞こえてこない。さっきまで車に追い立てられて走ってきた環七の喧騒はどこへ行ってしまったのか。

境内

拝殿の後ろに見える木立の中に小さな富士山が祀られている。教育委員会の説明板などは見あたらず、特に文化財の指定は受けていないようだが、ここにはほかの富士塚では見られない貴重な石碑が建っている。

それは昭和63年(1988)に富士塚を修復した時に建てられたもので、そこには碑文の筆者が子供の頃に見た光景として、富士山登拝から帰った講中の出迎えの様子が刻まれている。通り一遍の説明ではなく、富士講にまつわる人々の思いが活写されたもので、一見なんでもないようでありながら文化的価値のあるものだとわたしは思う。

碑 文 | 足立の夏菊(JA東京) || 富士塚の碑に記されている千住大川町の氷川神社