白 萩
東京都あきる野市横沢134(大悲願寺)
白萩を見に、五日市の大悲願寺へ行ってきた。前回訪れたときには残念ながら雨だったので、出直しというわけだ。
今日はほどよい曇り空。雲を透して注ぐ柔らかい光が白い花を引き立てている。
この時期になると和菓子屋の店先に並ぶのが、たっぷりのあんこにくるまれたおはぎ(ぼた餅)。でも、子供の頃、祖母が作っていたわが家のおはぎは、搗いた餅でももち米でもなく普通のおにぎりだった。しかもあんこではなく、砂糖を混ぜたすりゴマがまわりにまぶしてあった。
真っ黒なおはぎを二つに割ると、中から粒の立った真っ白なご飯が現れる。そのコントラストが鮮やかだ。お米をまいたような満開の白萩を見て、その光景が目の前に甦ってきた。
おにぎりなら大好物なのだが、甘い味付けが苦手でおはぎには良い思い出がない。にもかかわらず、おはぎの映像が鮮明に思い出されたのが、とても不思議な感じがする。たぶんおはぎは、おばあちゃん子だったわたしにとって、祖母に繋がる思い出の大切な部品の一つなのだろう。