「ちいさい秋みつけた」のはぜの木
東京都文京区春日1-15 礫川公園
わたしが子供の頃、遊びの輪の中には必ず「みそっかす」と呼ばれる小さな子が混じっていた。彼らは鬼ごっこやかくれんぼをする時、捕まっても決して鬼にはならないルールだったけれど、仲間外れにされることなくみんなと同じように逃げたり隠れたりして遊んでいた。
隠れようとしないでキャーキャー言いながら走り回るみそっかすを、見えない振り、探す振りをして構っていると、いつの間にか本当に姿が見えなくなる事があった。あわててそこらを探し回ると、公園の隅の日溜りに掃き集められた落ち葉の上で気持ちよさそうに眠っている姿を発見してホッとする。
「小さいあき見つけた。」
童謡「ちいさい秋みつけた」を聴くとなぜか、そんな昔のかくれんぼの思い出がよみがえる。
地下鉄後楽園駅の真上にある礫川(れきせん)公園の一角に、その童謡に歌われたはぜの木が移植されている。今日はもう、あらかたの葉を落としてしまっているけれど、去り行く秋を惜しむかのようにキラキラと少なくなった葉を輝かせていた。