「ちいさい秋みつけた」歌碑
東京都三鷹市井の頭4-1(井の頭公園)
子供がピアノを弾いている。それを温かく見守るお母さん。
彼女が鍵盤を撫でている。「君もピアノ弾けるの?」と彼。
シーシラソーラシーシラソーラシーシラソーラシーシシシー、と楽譜を読んでいく子もいる。
弾ける人はもちろん、苦手な人でもピアノがあると不思議に触りたくなる。石碑の鍵盤は音が出ないので、弾けるか弾けないかはナイショ。誰が弾いてもさまになるのがイイね。
誰もが、新しくできた歌碑との出会いが楽しくて仕方がない様子だ。
黒塗りのアップライトピアノそのままに、磨き上げられた御影石が美しい。鍵盤は標準的な88鍵が再現されている。アップライトピアノの普及に尽力したという中田喜直氏の業績を反映した素敵な歌碑だ。
彼は手が小さかったためにピアノを弾くのに苦労したのだという。靴や服にサイズがあり、バイオリンにも子供用(分数バイオリン)があるのだから、ピアノにもサイズ違いがあって良いはずだと主張され、自身は特注の細幅鍵盤のピアノを使用していたそうだ。わたしもオクターブ幅には指が広がらないし、ギターも指が短くてFが押さえられなかったので、専門家の方でもそういう意見を持っているということを知ってうれしく思った。
そういう点でも、良い出会いだったな。