善福寺の鏝絵
東京都品川区北品川1-28-9
旧東海道品川宿の入口、八ツ山橋にある案内図に「長八の鏝絵」と書かれているのを見つけて善福寺を訪ねてみた。伊豆の長八こと入江長八は、左官仕事だった鏝絵(こてえ)を芸術の域にまで高めた人物として高く評価されている。
本堂正面の壁には、左手から右手にかけて天空を飛翔する龍が描かれている。傷みが激しく全体の半分以上が剥落しているけれど、それがまるで黒雲に覆われた嵐の中に垣間見える姿のようでもあり、作品の出来とはまた別の意味で凄味を感じさせる。
向拝の正面を飾る龍や木鼻の獅子の漆喰細工も素晴らしい。木彫りでも難しいだろうと思うような仕上がりだ。
特に説明板の類もなく、荒れ放題の雰囲気なのが残念だ。