2005年5月15日(日)

登戸稲荷社

神奈川県川崎市登戸2291

奉納額

鏝絵(こてえ)をご存じだろうか。ヨーロッパの教会などに見られるフレスコ画に似て漆喰の壁に彩色した画を描くものだが、左官職人がこてさばき一つで立体の絵ともレリーフともつかない独自の作品に仕上げる技はすばらしく、失礼ながら半被にべらんめぇの職人さんの手になるとはにわかに信じがたい。

雲竜

とは言っても、明治時代に東京左官組合が発行した左官職工事業格等級を定めた印刷物には、左官職人の仕事内容の分類として壁塗りなどを行う「普通」と並んで「美術」という区分があったと言うから、立派に芸術家として認められていたようだ。

鏝絵の作者としては、入江長八という職人が有名だ。文化12年(1815)に伊豆・松崎に生まれたことから、伊豆長八という方が通りが良いようだ。未見だが、故郷の岩科学校には立派な千羽鶴の鏝絵があり、建物全体で国の重要文化財に指定されている。登戸にも長八の流れをくむ職人がいたらしい。

拝殿正面をおどろおどろしく飾る木彫の龍も必見だ。

長八の作品(品川善福寺)