2010年10月24日(日)

大黒湯

東京都足立区千住寿町32-6

大黒湯

北千住にある大黒湯は、銭湯愛好者の間で「キング・オブ・銭湯」と呼ばれているらしい。神社仏閣風の外観も立派だが、浴室のペンキ絵はもちろん、脱衣所の格天井や休憩所の坪庭など東京の銭湯の特徴を余すところなく備えているという。

煙突

創業は昭和4年(1929)というから、宮造りの銭湯が東京に建ちはじめた初期の頃からの老舗だ。

今回は外観だけの見学だったが、銭湯アーティスト・ウエハラヨシハル氏による弓矢のサインなど、江戸っ子の洒落っ気を再現しているところもおもしろい。煙突には、なにやら怪しいものが登っている姿も見える。

写真を撮っていたのは午後3時になったばかりの頃だったが、あとからあとからひっきりなしに入浴客がやってきた。ポタリングの途中に寄ったらしいカップルの姿も見える。ほとんどの家庭にお風呂が普及している現在、銭湯の命は風前の灯火といわれているけれど、ここは庶民の生活の湯であると共に観光地的な人気にも支えられて存続しているようだ。

※ 残念ながら2021年6月末をもって廃業、翌春に解体されましたが、正面玄関を飾った唐破風は千住の安養院に移築、保存されています。

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