旧開港記念横浜会館
神奈川県横浜市中区本町1-6(横浜市開港記念会館)
赤レンガに白い横縞の建物をみると、「あぁ、明治・大正の洋館だな」と思う。それほど辰野式の印象は強烈だ。「ジャック」の愛称で呼ばれる時計塔をもつ旧開港記念横浜会館は、辰野金五の設計ではないけれど、本家以上に辰野式らしいデザインだ。
現在も公会堂として使用されているので、会議などがある場合には限られたエリアしか見学することができないが、廊下や階段、ステンドグラスは自由にみることができる。見学の際には、館内にいるボランティアガイドの方に案内していただくといい。
右写真のステンドグラスには、左から「呉越同舟」「鳳凰」「箱根越え」という題がついている。なぜ「呉越同舟」かというと、乗っているのは対岸で行われる祭りに参加する大道芸人たちで、舟から下りれば互いに客を取り合う敵同士になるから。「箱根越え」については、富士山の位置関係が不自然なので、もっと横浜に近い−たとえば権太坂とか−街道筋ではないか。また、別の「ポーハタン号」のステンドグラスに描かれている米国の国旗が、戦時中も破壊されることなく残ったワケとは。などなど、興味深いお話をいろいろ聞かせてもらえるだろう。
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