2022年3月4日(金)

北原白秋詩碑 / 城ヶ島大橋

神奈川県三浦市三崎町城ヶ島374-1 白秋記念館

大橋

「城ヶ島」と聞くと、わたしは必ずこの写真のイメージを思い浮かべる。

三浦半島と城ヶ島を結ぶ城ヶ島大橋と、その足元に建つ北原白秋の詩碑だ。観光案内のパンフレットなどで繰り返し見た記憶があるのだが、最近はあまり見かけなくなった気がする。

詩碑に記されている「城ヶ島の雨」の唄がヒットしたのは大正時代のこと。その唄はもちろん、北原白秋という名前も今の人にはなじみが薄いかもしれない。

城ヶ島大橋が完成した昭和35年(1960)の日本は、高度経済成長期のさなかだった。完成の前年に公開された映画「城ヶ島の雨」(監督:猪俣勝人)には建設中の橋が映るシーンがある。当時は自慢だったかもしれない立派な橋も、今ではそれほど珍しいものではなくなってしまった。映画を知っている人もほとんどいないだろう。

今の人にとっての城ヶ島は、夕日を見に行くかマグロを食べに行くところ(実際は対岸の三崎だが…)らしい。興味の対象は、写真を撮って自慢ができるかどうか。SNSでイイねがつくかどうか。たぶん、白秋と大橋では難しいだろう。

時代はそうして移ろって行くものなのだな。

(三浦市の説明板) : 北原白秋詩碑 | 城ヶ島大橋