2011年10月8日(土)

第1号国民栄誉賞受賞記念碑

東京都国分寺市本町1-2-1(早稲田実業学校正門前)

国民栄誉賞受賞記念碑

2011FIFA女子ワールドカップに優勝した日本代表チーム(なでしこジャパン)が授与された国民栄誉賞の、第一回目の受賞者はプロ野球巨人軍(読売ジャイアンツ)の王貞治選手だった。

と言うよりも、昭和52年(1977)に通算756号本塁打を打ってホームラン世界新記録を達成した(生涯通算記録は868号)王選手を表彰するために作られたのが国民栄誉賞だと言った方が良いかもしれない。

わたしが子供の頃は「女子供が好きなのは、巨人、大鵬、卵焼き」と言われ、巨人の選手になることを人生の目標とする少年を主人公にしたマンガ「巨人の星」(原作:梶原一騎、作画:川崎のぼる)が生まれるぐらい巨人の人気は絶大だった。その巨人に昭和34年(1959)に入団し、中心選手として活躍した王選手の歩みは日本の高度経済成長の時期と重なる。

量産される彼のホームランは経済大国へと成長していく日本に対する祝砲であり、企業戦士だった多くのファンは、彼の世界記録達成に世界有数の大国となった日本の姿を重ねてみていたことだろう。だから、「世界の王」の誕生を祝福することには、今の日本を作ってきた自分たちのガンバリをほめてあげたい、と言う思いが投影されていたのではないかとわたしは思っている。

つまり「国民栄誉賞」は、その時代の国民を励ますために、誰かの姿を借りて授与される賞なのではないか。

今回の国民栄誉賞も、本当の受賞者は東日本大震災からの復興に取り組んでいる多くの人たちなのだと思う。

ちなみに、碑の上に載った黒い玉には「気力」と彫られている。湯島天神に建つ王選手の顕彰碑の碑文は「努力」だ。

「努力」の碑 | 並んで建つ「日本の宇宙開発発祥の地」の碑