お手をする狛犬
東京都台東区今戸1-5-22(今戸神社)
狛犬の役割は、くだけた言い方をすれば神社の番犬。いつも怖い顔をしてお詣りに来る人たちを睨みつけている。
と思いきや、今戸神社の狛犬はなんと片手をあげて「お手」のポーズをとっている。オイオイ、こんなところで愛嬌を振りまいてどうするんだよ、と思わず突っ込みたくなる微笑ましい姿だ。
この狛犬は宝暦二年(1752)に今土焼の職人らによって奉納され、文政五年(1822)に再興されたと台座に記されている。この今土焼で招き猫がつくられたことから当地は招き猫発祥の地を名乗っており、とすれば、この狛犬の左手は控えめなおいでおいで(招き)のポーズなのかもしれない。
縁結びの神を祀っていることから、ここの絵馬は「縁」と「円」をかけて丸い形をしているのが珍しい。近年は婚活神社としても有名なのだそうで、境内は熱い乙女心が綴られたたくさんの絵馬であふれていた。