2002年11月17日(日)

豪徳寺・招き猫

東京都世田谷区豪徳寺2-24-7

紅葉

安政の大獄が元で暗殺された井伊直弼の墓がある豪徳寺は招き猫の寺としても有名だ。

招き猫

彦根藩二代目藩主・井伊直孝が鷹狩りの帰りに門前を通りかかると、手招きをする猫がいる。不審に思って寺に寄り、和尚の話を聞きながら渋茶など飲んでいると、一天にわかにかき曇り大変な雷雨になった。直孝はこの幸運を喜び、福を招く猫のいる寺としてこの寺を大事にし、井伊家の菩提寺としたのが豪徳寺の始まりだと伝えられている(※)。当時は弘徳庵という小さな庵だったが、直孝の戒名を取って豪徳寺となり今に至っている。

猫が耳の後ろを掻くと雨になる、という言い伝えがあるので、豪徳寺の猫も特別な猫ではなかったと思われるが、名もない寺を有名にしたという意味では「招福猫児」の名に値する招き猫であった。

境内は一面の楓が紅葉して素晴らしい。日光に行かなくても京都に行かなくても、こんなにきれいな紅葉を楽しめるところが近くにあるかと思うとうれしくなる。

※ 「江戸東京の庶民信仰」(長沢利明、講談社学術文庫)では、「明治維新後に、参詣客誘致のため、豪徳寺の檀徒有志が創作した」としています

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