三富新田
埼玉県入間郡三芳町上富1279-3(旧島田家住宅)
所沢航空公園から北に走ると広々とした農地が広がっている。遠くに見えるケヤキの森は農家の屋敷林だ。ケヤキの大きさに歴史を感じる。
所沢市と三芳町にまたがる三富(さんとめ)新田は、江戸時代はじめの元禄年間に川越藩主柳沢吉保の命によって拓かれた。いまも「川越いも」として知られるサツマイモなどの農作物を作っている。
川越藩では柳沢家の前の松平信綱の時代に玉川上水から野火止用水を引くことに成功しているけれど、三富新田の開拓では用水を引くことができなかったために農民は苦労をしたらしい。開拓地を通る砂川堀は、「砂川」の名の通り涸れて川底を見せていることが多かったという。川の源となる山がないから遙か彼方まで見晴らしが良い。なんという皮肉な景色であることか。
開拓農家の暮らしぶりを伝える旧島田家住宅の前には、当時の苦労を伝える解説板と貴重な水を供給した井戸が展示されている。
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