2012年4月28日(土)

立っち狛犬

東京都中野区沼袋1-31-4(沼袋氷川神社)

立っち狛犬

狛犬にも狛犬なりの人生があるらしい。妊娠して、子供が生まれれば乳をやり、子供が長ずれば谷底に落として帝王学を学ばせる。そんな物語を想起させる狛犬をあちこちで見てきた。

松

沼袋氷川神社の狛犬もそんな中の一つ。子供は母親に支えられて、今まさに立っちをしようとしている。文久四年(1864)に奉納されたものだ。明治の新時代に向けて成長しようとしている日本の姿を狛犬の子供に託した、とは考えすぎだろうか。

本来四つ足の狛犬が立っちをするわけはないのだけれど、物事に自分の人生を重ね合わせてしまうのが人間というもの。最近寝返りを覚えたばかりの孫の姿を狛犬に投影して感無量になってしまった。

境内には太田道灌が豊島泰経との戦を前に戦勝を祈願したという道灌杉の跡が残っている。近くの江古田公園には、その戦いの跡を伝える、「史蹟江古田原・沼袋古戦場」の碑が笹に埋もれて建っていた。

三本願い松 | 道灌杉 | 力石 || 江古田古戦場跡の碑 || 東京大越瓜(JA東京)