2012年10月5日(金)

神代水生植物園のヒガンバナ

東京都調布市深大寺元町2-37

稲架

一年を通じて様々な生きものが見られる動物園や水族館と違って、植物園には季節がある。お目当ての花の見頃を逃してまた一年待つのは困るけれど、四季折々それぞれに違った花を楽しめるのは植物園ならではの魅力だ。

白花曼珠沙華

初夏には紫紺のハナショウブで埋まった水生植物園に秋が来た。秋晴れの空に、真っ赤なヒガンバナがよく似合う。

サルに猿山があるように、ハナショウブには八つ橋を模した木道、ヒガンバナには田んぼのあぜ道がお決まりの風景。稲架(はさ)掛けを横目に見ながらそぞろ歩くのが楽しい。今年は花が遅かったので一緒に見ることができた。

わざわざ植物園に行かなくてもどこかそのへんで見られそうな景色だけれど、ありそうでなかなか無い、東京近辺では貴重な風景になってしまった。花そのものはありきたりでも風景は絶滅危惧種。動物園のパンダのように大切に守りたい、と言ったらおかしいかな。

ハナショウブ |