淀 橋
東京都新宿区北新宿2-22 淀橋 / 中野区本町2-26-6 成願寺
中野坂上で交差した青梅街道と山手通りは、それぞれ坂を下って淀橋(青梅街道)と長者橋(山手通り)で神田川を渡る。長者橋の名は付近に伝わる中野長者伝説に因んでつけられたものだが、淀橋の命名にもこの中野長者が絡んでいる。
淀橋の傍らに立つ説明板に寄れば、中野長者と一緒にこの橋を渡ったものは二度と帰ってこなかったことから「姿見ずの橋」などと呼ばれていたものを、徳川家光が不吉だとして淀橋に変えさせたのだとか。
中野長者こと鈴木九郎には一人娘がいたが、この悪行の報いを受けて大蛇になってしまったという。長者橋近くにある成願寺と新宿公園内の十二社(じゅうにそう)熊野神社は罪を悔いた鈴木九郎が開いたものといわれ、成願寺境内の鈴木九郎長者塚にはことのいきさつを記した絵巻が掲げられている。
現在の淀橋は平成17年に架け替えられたものだが、親柱は大正14年に架けられたときのものを引き継いでいる。ここに彫られた二重丸の模様は、かつて橋の脇にあった水車をイメージしたものだそうだ。