孟宗筍栽培記念碑
東京都品川区小山1-5-14
その昔、品川から目黒にかけての地域は、タケノコの一大産地であったという。目黒区のHPに掲載されている明治初年における孟宗筍の生産地の分布図(明治5年「東京府志料」より作成)によると、戸越村(品川)と碑文谷村(目黒)が一村あたりの生産量500円以上、衾村(目黒)が301〜400円でそれに次ぎ、他の地区に圧倒的な差をつけている。
江戸時代にタケノコになる孟宗竹をこの地に移入し、タケノコ生産の道を切り開いた竹翁こと山路治郎兵衛を顕彰する石碑が、武蔵小山の住宅街の一角にひっそりと建っている。ご丁寧にも、石碑の形はタケノコそのものだ。現在の住所は小山だが、当時は戸越村後地(うしろじ)といい、ここにあった治郎兵衛の別荘に最初の竹が植えられたのだという。
言うまでもなく、周辺は開発が進みもはや竹林を見ることはない。石碑の周りの家もすべて「山路」とは違う姓だった。
家に帰ってネットを検索していたら、「ムサコのたけ丸君」というキャラクターを見つけた。武蔵小山商店街では昨年(2012年4月)「第1回ムサコのたけのこ祭り」を開催し、たけのこをテーマにまちおこしを始めたのだそうだ。