2014年1月13日(月)

伊勢屋質店

東京都文京区本郷5-9-4

伊勢屋質店

出桁造りの古風な建物は本郷の菊坂に建つ伊勢屋質店。出格子と犬矢来がいい雰囲気を出している。地方の景観保存された街道筋で見るような建物を、東京23区のど真ん中で見られるとは驚きだ。

小説家・樋口一葉が生活苦のために通った質店として知られている。土蔵は明治20年(1887)、見世部分は一葉没後の明治40年(1907)に建てられたものだそうだ。高額紙幣(五千円札)に肖像が使用されている有名人が質屋の世話になっていたとは皮肉な話だ。

一葉は、明治27年(1894)暮れからわずか十四ヶ月のあいだに「大つごもり」「にごりえ」「たけくらべ」などの傑作を発表したのち、29年秋に結核のため24歳6ヶ月の若さにして夭折した。若くして病に倒れ、富と名声を得る前に亡くなった悲劇のヒロインのような人生だった。

ちなみに、歴代156人の芥川賞受賞者(※)の受章時の年齢と比べてみると、最年少の綿矢りさが19歳11ヶ月。村上龍が8番目に若くて24歳4ヶ月だった。

※ 第1回(1935年上半期)〜第150回(2013年下半期)まで、受賞辞退者(第11回高木卓)含む

文京区教育委員会の説明板 | 一葉墓所