玉乗り狛犬
埼玉県川越市富士見町33(愛宕神社)
狛犬が玉乗りをしている。前足を大きな玉の上に載せてフンコロガシのように押している感じ。短い手足でチョコチョコと歩く様子が想像されて微笑ましい。
と言っても、元もとこの形だったのではないようだ。おそらく破損した前足部分に、支えのために石をはめ込んだのだろう。丸石のない姿を想像すると、手足が短く幼児体形な胴体は宇津貫熊野神社の狛ウナギ犬に似ている。吽形の顔立ちは牛嶋神社の山田くん狛犬みたいだ。
奉納年の刻印は見つけられなかったが、その二つの狛犬と同時期だと仮定すれば江戸時代中期の作だろうか。境内には元文元年(1736)に祀られた延命地蔵尊があり、関係があるような無いような。
所詮は素人の浅知恵ではあるけれど、いろいろ考えてみるのもおもしろい。