青 梅 宿
東京都青梅市西分町2-40(橋本屋旅館) 〜 森下町526(柳屋) の前後
JR青梅駅周辺の旧青梅街道沿いは危険だ。駅を挟んで東側には昔ながらの映画の手書き看板が並び、西側には明治から昭和にかけての古い建物をそのまま残した商店街が続く。
一度このゾーンに足を踏み入れると、その魅力的な景観に引き込まれて抜け出すことが困難になる。しかも、車道にも歩道にも十分な広さはないので、自転車でも歩きでもよそ見をしながらの移動は禁物だ。
だから私は、奥多摩方面に行った帰りの、「早く帰らなくちゃ」という強い動機付けがあるとき以外はここを通らず、吉野街道や新青梅街道に迂回するようにしている。
左の写真は橋本屋旅館の雰囲気のある行灯。明治3年(1870)創業ということだが、この行灯はいつ頃のものだろう。右は米と狭山茶の柳屋。元禄時代から続く老舗で、現在の店は明治7年(1874)に建てられたそうだ。ほかにも明治から昭和にかけての様々な意匠の建物が並んで見飽きることがない。
多くの観光客が訪れる地方の宿場町ほどではないけれど、見たことあるような無いような、少しだけ昔に戻る時間旅行が楽しめる素敵な町並みだ。