旧前田侯爵邸洋館
東京都目黒区駒場4-3-55 駒場公園
通勤の路程のすぐそばにあって、周囲の公園や珍しい建物には時々立ち寄っているのに、ここを訪ねるのは久しぶりだ。外観は何度か見ているが、中にはいるのは13年ぶりになる。
前回来た時は本格的な公開が始まる前で、室内は調度品もなくがらんとしていたが、今は公爵家が暮らしていた頃の様子が再現されている。
展示だから脱いだ服が椅子に掛けてあったり読みかけの新聞が広げたままになっていたりしないのは当たり前なのだが、それにしても、なんとも生活感に乏しい景色だ。
公爵家といえども日常生活でスーツやドレスをビシッと決めていたとは思えないが、畳の間に寝っ転がって鼻くそをほじったり、こたつでミカンを食べながらうたた寝をしたりという生活は微塵も感じられない。そもそも、TVもスマホもない状況での一日の過ごし方が、わたしには想像できなくなっていることに気がついた。
公爵家の時代からはずっと後になるけれど、わたしの子供時代にはTVはあったけれどテレビゲームやスマホはなかった。社会人になってからだって、パソコンや携帯電話のない時代が何年もあった。どうやって仕事をしていたんだろう。仕事のない時は何をしていたんだろう。昔を懐かしもうにも、あまりにも変わってしまってどんなだったか思い出せないのが、なんだか哀しい。
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