北田神社
福島県双葉郡楢葉町大字北田字天神原
旅に出ると、東京(江戸)とは違った顔つきの狛犬に出会えるのが楽しい。天神岬の北田神社(北田天満宮)では、大きな牙をむき出しにした狛犬に睨まれた。こんなに牙の大きな狛犬は、今までに見た記憶がない。
昭和十二年(1937)正月に奉納されたと記されている。
吽形は牡丹の花を咥え、子獅子の頭に前足を載せている。唐獅子牡丹の図、と言うことはチンピラやくざを懲らしめているところかな。阿形は心なしか小泉元首相に似ているような気がする。原発反対を唱えて咆えている顔だ。
神社が建っている場所は中世の城跡だ。土塁や空堀の跡など痕跡ははっきりしているのに、出土品も、文献の記録もない謎の城とされている。さらに遡った弥生時代には集団墓地であった。
中沢新一は著書「アースダイバー」の中で、縄文人は岬状の地形に霊性を感じて墓地や祭祀の場を設けた。その記憶は現代まで連綿とつながっている、と書いているが、まさに天神岬はそういう場所であったのだ。
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