東京駅
東京都千代田区丸の内1-9-1
長らく工事中だった東京駅丸の内駅前広場の整備が終わり、7日から全面オープンの運びとなった。広場は白を基調とする御影石で舗装され、皇居へと続く御幸通りの中央に設けられた遊歩道と一体感をなしている。
折しも皇居では秋の乾通り一般開放が行われており、通常にも増して大勢の人が広場に集っている。家族連れが記念写真を撮り、海外から来た若者が自撮り棒(セルフィー)を掲げてポーズを取る。ヨーロッパの観光地で見るような祝祭空間の賑わいだ。
映画「ローマの休日」(1953)でオードリー・ヘップバーンがアイスクリームを食べたスペイン広場(イタリア)や、世界中のカトリック信者が集まるサン・ピエトロ広場(ヴァチカン)のような、市民や観光客が自由に集まる広場が日本には見当たらない。皇居前広場はその大部分が芝生と松の木で占められているし、京都御苑(御所)内の広い空間も歩きにくい砂利が敷きつめられていて、人を拒絶しているとさえ思えてしまう。
それに対して、この丸の内駅前広場の開放的で自由な雰囲気は好ましい。2020年の東京オリンピックを控えて、海外からのお客様が集まることも想定しての設計なのだろう。
新しく誕生した広場が、これからどんな空間になっていくのか楽しみだ。