大麻止乃豆乃天神社付近
東京都稲城市大丸847
「散歩」を辞書で引くと「特別の目的をもたずに、気の向くままに歩くこと(三省堂・大辞林 第二版)」とある。同じ三省堂でも新明解国語辞典(第三版)は「(行く先・道順などを特に詳しく決めることなく)気楽に出て歩き回ること」と似たような解釈だが、デイリーコンサイス国語辞典では「気分転換や健康のためにぶらぶら歩くこと」となって、『目的』がついてくるのが気に入らない。
そう言う散歩をしていると、何でもない道で写真のようなちょっと良い景色に出会ってうれしくなることがある。
多摩川を是政橋で渡り、川崎街道に突き当たったところからちょっと南へはいったところ。用水に沿った道がうねうねと続く路地では、表通りと少し尺度の違う時間が流れているような感じだ。
右の写真の奥に見える山には、大麻止乃豆乃天神社(おおまとのつのてんじんじゃ)という古い神社が祀られている。延喜式神明帳にも記された古社で、周辺の「大丸(おおまる)」と言う地名の由来になったという説がある。
神社の裏山は大丸城跡と言われており、南へ下ると稲城駅前の長沼城跡に出る。何気ないながらも、古くから往来のあった道であるらしい。