榎観音
東京都調布市多摩川6-3付近(榎) / 多摩川5-37(白衣観音)
京王多摩川駅に近い都立調布南高校前の交差点のまん中にぽつんと取り残された榎がある。昔は木の下に祠があったような気がするが、今は木に注連縄がまかれているだけでなぜここに残されているのか何の説明もない。
ここには昔、榎観音という観音堂があったそうだ。
観音様は現在、多摩川の近くに移されて多摩川白衣観音として祀られている。白衣観音講奉賛会の説明板に寄れば、明治43年(1910)の台風による洪水で甚大な被害を受けた数年後、押立村に流れ着いた観音様を譲り受けて祀ったものだという。
國領神社や布田天神のところでも触れたように、多摩川近くにあった寺社はみな水害を避けて高台に移っている。そのため、数少ない信仰の対象として土地の人々に大事にされているようだ。
※ 昭和22年(1947)9月のキャサリン台風の時に流れ着いたという説もある(調布市報 昭和54年11月5日号・調布こぼれ話)。