2002年6月29日(土)|(2015年3月27日(金))

掩体壕

東京都府中市白糸台2-17

掩体壕

甲州街道が西武多摩川線を越える陸橋の南東側に、半分地中に埋もれたアーチ状の構造物が見える。

住所表示

これは戦時中に調布飛行場の飛行機を格納した軍事用の防空壕で、掩体壕(えんたいごう)と呼ばれている。爆撃に耐えるように頑丈に作られたために撤去するのも容易ではなく、図らずも太平洋戦争の貴重な遺構として残ってしまった。今は資材置き場として使われている。

戦闘機を格納したという割にはかなり小さい。ここに収まる程度の飛行機で戦ったのでは、敗戦もやむなしと感じてしまった。

戦争と言えば沖縄や広島・長崎がクローズアップされる。東京大空襲でも下町の被害が大きく伝えられるばかりで人ごとのような誤解をしてしまうが、調布にも特攻隊の基地があり、小銃を造っていた工場(東京重機・現JUKI)などもあったと聞くと身近な出来事として実感することができる。三鷹には高射砲の陣地もあった。つきなみな言い方ではあるが、この事実は語り継いでいかなければいけないものだと思う。

近くの電信柱には琺瑯引きの住所表示が掛けられていた。時代はずっと後のものではあるけれど、ここだけ時間が止まっているような感じがした。

※ 2012年に保存整備工事が完了し、公園化されてきれいになりました

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