駒沢陸上競技場
東京都世田谷区駒沢公園1-1(駒沢オリンピック公園)
東京オリンピックの時、駒沢陸上競技場ではサッカー競技が行われた。日本は初戦ガーナに破れたものの、続くアルゼンチン戦では逆転によってベルリン大会以来28年ぶりのオリンピック勝利をあげ、ベスト8入りを果たした(参加14カ国、優勝はハンガリー)。次のメキシコ大会で銅メダルに輝く黄金時代への序章だったといえる。
柔らかなカーブを描いてスタンドに架かるキャンティレバーの大屋根が印象的な造形は村田政真の設計(1964)になる。逆三角形の構造を小刻みに並べることで、威圧感を取り除き、記憶に残るデザインを実現している。
門が開いていたので中に入ってみた。日本語ではない応援の声が聞こえる。スコアボードには「駒沢高−U18イラク」とあった。いまだに戦火の治まらないかの地ではあるが、ここでは平和な闘いが繰り広げられていた。