広徳寺の樹
東京都あきる野市小和田234
山門をくぐると二本のイチョウの怪樹に迎えられる。すべての葉を落とした今の姿は、たとえば神宮外苑の並木の三角に揃った姿とは異なり、いかにも恐ろしげだ。
銀杏の木は1億5000万年以上前から地球上に存在し、恐竜たちと共に生きた歴史をもっている。その頃の遺伝子が顔を出したかのように、枝は複雑に絡み合い、不気味な瘤や垂下がった気根が溶けた蝋燭のように全身を覆っている。
土地の人の話に寄れば、秋には黄葉した銀杏の葉が境内一面に黄金色の絨毯を敷いたように拡がり、すばらしい景色を見せてくれるという。是非その頃に再訪したいものだ。
本堂の裏には都天然記念物のタラヨウとカヤの木がある。