2002年11月17日(日)

東電学園大町施設

東京都調布市菊野台3-51

小さな高圧鉄塔

「鉄塔 武蔵野線」(銀林みのる・新潮文庫)という面白い本がある。ふたりの小学生が高圧線の鉄塔をたどって自転車を走らせる不思議な冒険物語だ。

少年たちが“ピッコロ鉄塔”とか“怪獣鉄塔”とか名付けるように、鉄塔には様々な形があるようだ。彼らのように目的を持って探索をしたわけではないが、多摩川ではレンガの下駄を履いた鉄塔を見たことがある。野川沿いでも写真のように堂々とした鉄塔を見ることができる。

夕焼け

でも何かおかしい。

高さが普通より低く、電線が延びていく先がないのだ。まわりには寸足らずの電信柱が何本も並び、通常広告が取り付けられているところには「根元よし」などという意味不明の標語が書かれている。

どうやらここは送電施設の保守をするための練習場らしい。

野川との境には小さな公園があり、散歩やジョギングの人があずまやで休んでいたりする。夏には気持ちよい日陰を提供してくれた木々が、今は赤と黄色にきれいに色づいていた。

(2004/1/24) 久しぶりに通りかかると、鉄塔はなくなり、東電学園の建物も解体が始まっていた。マンションに建替えられるようだ。最近の国領は、マンション建設ラッシュだ。

レンガの下駄を履いた鉄塔 | 寸足らずの電信柱 | 萩原朔太郎の鉄塔