夕やけ小やけ歌碑
東京都八王子市上恩方町2089
両側に田圃の広がる街道の辻に背の高い碑が建っている。初冬の田には刈り残した稲の株が剣山を撒いたようだ。遠くに見える山の端が赤い。夕日をうけて碑の表に大きく書かれた「夕やけ小やけの碑」の文字が紅に染まっている。
そんな景色を思い浮かべて夕やけ小やけの里を訪ねたのだが、歌碑の建つ宮尾神社は夕焼けどころか日中の日もささない山の中にあった。作詞をした中村雨紅はこの神社の宮司の家に生まれ、東京に出て教職に就く傍ら童話や童謡を書いたという。
この歌碑は昭和31年(1956)、雨紅の還暦の祝いに村の有志によって建てられたもので、「夕焼小焼」の歌詞が自筆で彫られている。
帰り道、市街に近づいたところでどこからか「夕やけ小やけ」のチャイムが聞こえてきた。早く帰らなくては。