広徳寺のイチョウ
東京都あきる野市小和田234
二層の山門を包みこむ炎のような黄葉に圧倒される。初めてここに来た時、それぞれの建物の大きさに驚いたものだったが、二本の銀杏の樹はそれをはるかに凌駕している。
今年は少し黄葉が遅いらしい。例年なら今頃は境内を覆い尽す黄色い絨毯が見られる頃だというが、今年はまだまだ枝々の隅々にまで檸檬色の葉が残っている。それにしても、このうちの半分でも落ちた時の、境内に広がる落葉の量は相当なものになることだろう。
冬に裸の姿を見た時には、醜く老いさらばえた魔女のように見えたのに、これだけの葉を茂らせるエネルギーはどこにあったのだろう。この大きさで今なお旺盛な生命力を発揮している姿には、ただただ黙して感動するのみだ。