2020年8月3日(月)

Rose Intensity / Movement No.3

神奈川県川崎市幸区大宮町1310 ミューザ川崎

Rose Intensity

誰だったか思い出せない。

悲鳴でガラスを割ったり、物を壊したりして敵と戦う美少女戦士。あるいは泣き声で悪者を撃退する幼児キャラ。うるさいとか不愉快とかいう生理的な問題ではなく、音の振動効果というかなんというか、そういう物理的な力として悲鳴や泣き声を破壊的に使うキャラクターを、アニメなどで何人も見てきた気がするのだが、いざとなると出てこないのがもどかしい。

Movement No.3

ミューザ川崎のエレベータホールに展示されている「ローズ・インテンシティ」は、まさにそういう状況を表現した作品だ。天井に設置された鋸のようなオブジェは高音域の音の波形を表し、その力によって破壊された奥のガラス面には、蜘蛛の巣のような亀裂が走っている。

オフィス階へ毎日通勤する人が目にするには、ちょっと緊張感がありすぎるのでは?と心配になるが、たぶん気付いている人は少ないだろう。

ガレリアに展示された「ムーブメントNo.3」には、- ムネミオプシス・レイディ -というクラゲの名前が副題についている。アルミニウムの硬質な感じと、多様な曲線が生み出す軟体動物的なイメージが不思議な存在感を醸し出している。

彼の作品には、過去に2回、六本木の東京ミッドタウンと多摩センターのベネッセ東京本部で出会っている。どちらもあまりピンと来なくてスルーしたのだが、三度目の出会いで「おや?」っと引っかかってきた。ほかの所でも書いたことがあるが、散歩先で出会ったものが私の意識の表層に存在感を現してくるのは、「3回目」というのがポイントになるようだ。

・"Rose Intensity" Delphine Coindet、2003

・"Movement No.3 - Mnemiopsis Leidyi -" Florian Claar、2003

東京ミッドタウン"Fragment No.5" | ベネッセ東京本部"Fragment No.7"

「三度目から本気になる」の話