2012年4月1日(日)

海禅寺

東京都青梅市二俣尾4-962

梅

軍畑の地名の由来になった戦いで滅びた三田氏の菩提寺が、隣の二俣尾にある。立派な石垣の上に建つ姿はお城のようだが、これは後世に築かれたもので合戦とは関係がない。背後の山中には三田氏の山城・辛垣城の遺構が残っている。

海禅寺

急な階段を上って山門をくぐると、周りを山に囲まれた静かな境内があった。左手の山の斜面には三田氏の墓と伝えられる供養塔が並んでいる。林の中でひときわ目立つ大木は、青梅市の天然記念物に指定されているクスノキだ。境内のシダレザクラの横でも大クスノキが天を突いている。

山門から振り返ると山間に広がる青梅の里の眺めが良い。遠くに紅白の霞がかかったように見えるのは、4月になってやっと見頃を迎えた吉野の梅郷だ。

観梅の人でごった返す彼の地の喧噪もここまでは届かない。静まりかえった境内に一人でいると、まだ夏草も蝉の声もないけれど、あの芭蕉の句が思い出されてなんだかしんみりとしてしまった。

(説明板) 海禅寺境域 | 三田氏墓 | 総門 | 桃の里の歌碑 | クスノキ || 鎧塚 | シダレザクラ | ツツジ | シャクナゲ