2013年5月21日(火)

国府台城跡

千葉県市川市国府台3-9 里見公園

花壇

千葉の里見といえば「南総里見八犬伝」。少し前の世代なら辻村ジュサブローの人形と坂本九の講談調の語りで人気を博したNHKの人形劇、さらに古い方々には歌舞伎や映画などでおなじみの曲亭馬琴(滝沢馬琴)の伝奇小説だ。

スカイツリー

南総〜という題名の通り、里見氏は房総半島の南端にあった安房の国(今の館山あたり)を治めていた武家だが、はるか離れた江戸川沿いにその名を冠した「里見公園」がある。

というのも、ここがかつて勢力拡大を図った里見氏が北条氏と争って敗れた国府台合戦の舞台となった国府台城跡だからだ。

城跡にある慰霊碑(里見軍将士亡霊の碑)は、国府台合戦から250年以上が経った江戸時代に建てられたものだ。おそらく八犬伝の人気を受けて遠い昔の記憶が呼び戻されたのだろう。フィクションの八犬伝と実在の里見氏に直接の関係はないけれど、それほどに八犬伝の人気が高かったことが伺える。

長い長い歴史の中で里見氏がこの地に足跡を残したのはほんの一瞬のことだったが、人々の記憶の中にはその名が深く刻まれている。

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