只見湖
福島県南会津郡只見町只見
遠くに大きなダムが見える。あれが只見ダムかと思ったら、今自分が立っている小さな堰堤が只見ダムだった。目の前の湖が只見湖。奥のダムは田子倉ダムという。
只見湖も只見ダムも小さすぎて、ほとんど注目されていないようだ。検索をすると、奥只見湖や奥只見ダムばかりが引っ掛かってくる。聞き覚えのない名前だが、別名を銀山湖というと聞いて学生時代に尾瀬の帰りに立ち寄ったことを思い出した。
「只見湖」という名前には、中学生の頃からずっと憧れてきた。冬は深い雪に閉ざされる山奥にひっそりと眠るエメラルドグリーンの宝石。秋には燃えるような紅葉が湖を彩り、夏には川霧が湖面を覆って神秘的な雰囲気に包まれる。そんな人跡未踏の秘境のイメージに与えられた名前が「只見湖」だったのだ。
アルプスや離島には行くことが出来ても、只見にだけは行けないとずっと思ってきた。実際に今日までこの地を訪れることはなかったし、交通の便が悪くて来にくい場所であることに変わりはないのだが、もはや「秘境」ではないだろう。
憧れて訪れた只見湖のイメージは平凡だったけれど、紅葉や川霧の季節に来たらまた違った感慨があるかも知れない。
その景色を是非見たい。