三宅島の神社
東京都三宅村
三宅島には神社が多い、…ような気がする。周回道路を走っていると、バス停なみにたくさんの鳥居が道に面して建っているのに出会う。
ところが、いざ鳥居をくぐってみると、社はずうっと奥にあってなかなか辿り着けないところばかりだ。道路から社殿が見える荒島神社(左写真)は稀な例と言えるかもしれない。
火戸寄神社は不安になるぐらい長い獣道のような参道の奥にあったし、富賀神社は長い坂道を上り返すのが嫌で一度は訪問をあきらめたほどだ。
神社と言えば「鎮守の森」の厳かなイメージがあるけれど、島は植生が違うのでいつも見ている神社とは雰囲気が違っておもしろい。八十司神社では傾いだソテツの木が茅の輪くぐりのような、鳥居のような、不思議な姿を見せてくれる。
ハワイではキラウエア火山に住む女神ペレが信仰されている。大島でも三原山を祀る三原神社があったが、三宅島では島の中央にある雄山に信仰が集まるということはないようだ。山頂からだけではなく、中腹や海の際などあちこちで噴火が起きているので、火の神もたくさんいるという考えなのだろう。噴火の度に人々が移動するので、その先々で神社が増えていったということもあるようだ。
神社の数と祀られている場所は、火山と島民の共棲の歴史を物語っている。