2003年7月27日(日)

知る区ロード・みみのオアシス

東京都杉並区宮前2-12

竹林

私の耳は貝のから 海の響をなつかしむ(「耳」堀口大學訳)

このジャン・コクトーの詩から、あなたは何を思い浮かべますか。

 ・「これがわたしの死の星です」と言った美奈さんの人差し指(巨人の星)

 ・海水浴に行って食べたサザエの壺焼き

 ・なみうちぎわで彼(または彼女)がささやいた愛の言葉

 ・そんな詩は知らない

耳の装置

建築家の六角鬼丈とサウンドスケープ・デザイナーの鳥越けいこの共作(平成3年(1991))になるいろいろな装置を見て、そんなことを思った。

杉並区の遊歩道「知る区ロード」に配された四ヶ所のポケットパークのひとつ、みみのオアシスには竹林が生み出す自然の音を聞く7つの耳が置かれている。かがんだり目隠しをされたりして聴く仕掛けは窮屈だが、聴くことに集中するためには身体の機能を奪ったほうが良い、と説明があった。

一通り試してみて、竹林の中に歩みいる。

わたしには生の耳で聴き、頬に風を感じて、木漏れ日に目を細める、その方が気持ちよかった。

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