2005年3月5日(土)

目青不動

東京都世田谷区太子堂4-15-1 (教学院)

閻王殿

子供の頃、上野動物園へ行く道すがら山手線の駅を数えながら、メジロ(目白)、カモ(巣鴨)、コマドリ(駒込−ちょっと苦しい)、ウグイス(鶯谷)と鳥の名前が続くのをおもしろがっていた。最近は池袋にもイケフクロウと言う鳥がいる。路線図を見ると目白によく似た目黒もあるけどそんな鳥もいるのかなぁ、と思っていたら後年、これは不動尊の名前に由来していて、ほかにも青、赤、黄があることがわかってびっくりした。

獣魂塔

これらは江戸五色不動と言い、寛永年間(1624〜43)の中頃、三代将軍家光が江戸城鎮護のために江戸府内の不動尊にそれぞれ陰陽五行の青(青龍)、赤(朱雀)、黄(天位)、白(白虎)、黒(玄武)を割り当てたものだと云う。しかしそれぞれが意味する東、南、中央、西、北の方位と各不動尊の位置が一致しないので、元々あった地名に七福神ばりに語呂合わせをしたのではないかという説もあるようだ。

このうちの目青不動が東急世田谷線三軒茶屋駅前の教学院にある。

この不動尊は、元は麻布谷町(六本木)の観行寺にあったものが、明治15年(1882)に青山の教学院に併合され、明治41年(1908)にこの地に移ってきた。青い目の人たちに縁のありそうな所を転々としているのがおもしろい。

目黒不動には「目黒のサンマ」の逸話が残っている。こちらには青い目だから洋食というわけでもあるまいが、食肉の対象となった家畜を供養する獣魂塔が建っていた。

世田谷区教育委員会の説明板 | 獣魂塔のいわれ

(五色不動) : 目赤 | 目黄 | 目白 | 目黒