2014年5月19日(月)

横光利一文学顕彰碑

東京都世田谷区代沢4-39-12付近

横光利一文学顕彰碑

北沢川緑道に、新しい文学碑を見つけた。新しい、といっても、建碑は昨年の秋(2013年11月)。自転車通勤の時には山側の森巖寺や北澤八幡の前の道を通っているので気がつかなかった。しかも横光利一、名前は知っているけれど読んだことはない。

黄菖蒲

…と思ったが、本当は初見参かも。「鉄人28号」の作者、横山光輝と混同しているかもしれない。

「微笑といふものは人の心を殺す光線だ」

碑文に引用されたこの言葉を、女性の艶やかな微笑を形容して言ったものかと思ったのだが、原文を読んでみると海軍で兵器の研究をしている帝大の学生のものだった。アインシュタインの相対性原理の間違いを指摘した論文で学位を取り、軍艦でも戦闘機でも一瞬にして壊滅させる強力な破壊光線を発明したという天才がみせる、子供のようにあどけない微笑みを指して言った言葉だ。

川端康成と共に「新感覚派」と呼ばれた彼らしい表現に、う〜んと唸らされた。

碑 文

(北沢川緑道の文学碑) : 萩原朔太郎 | 斉藤茂吉 | 三好達治 | 坂口安吾